米国全土の成熟森林は年間約102テラグラム(Tg)の炭素を吸収しているが、世界の森林モニタリングの多くを支える衛星ツールにはそれが見えていない。これが、メリーランド大学の研究チームが今週Nature Ecology & Evolutionに発表した研究の中核的な発見であり、炭素市場にとって直接的な意味を持つ。衛星由来のバイオマスデータの上に構築されたクレジットやベースラインは、現存する成熟森林の価値を体系的に過小評価し、衛星が測定できる若い植林に報いている可能性がある。このギャップは自動車8000万台分の年間排出量にほぼ相当し、端数の誤差ではない。バイヤー、検証機関、モデラーが依存する測定レイヤーに存在する構造的なバイアスだ。

研究が明らかにしたこと

この研究は、George Hurtt教授やRalph Dubayah教授を共同著者に持つ助理研究教授のLei Ma氏が主導した。研究チームは米国本土全域で3つの独立した証拠系列を組み合わせた。航空機搭載レーザー測量(航空LiDAR)の繰り返し測量、米国森林局の森林資源調査・分析(FIA)地上プロットネットワーク、そしてNASAのGEDI衛星搭載LiDARによる観測だ。3つすべてが森林構造とバイオマスの広範な増加を示した。これに対し、広く使われている衛星バイオマスプロダクトは、林冠の高さが約16メートルを超えると、追加の蓄積をほとんど捉えられなかった。

この閾値が重要なのは、成熟森林が米国本土の森林面積の約72%を占めるからだ。衛星解析は1993年から2019年までをカバーしており、実際のトレンドと年々のノイズを区別するのに十分な長さがある。そして樹高に依存する信号の飽和は、調査対象のすべての森林タイプと地域で一貫していた。結果は明確な乖離だ。調査データとLiDARデータは成熟林分が年間約102Tgの炭素を増やしていることを示す一方、同じ森林についての衛星推定値はほぼ中立にとどまる。

衛星が損失は捉えるのに増加を見逃す理由

そのメカニズムは物理的なものであり、非対称だ。LandsatやSentinel-2のような受動光学衛星は、林冠の上面から反射される太陽光を測定する。若い林分や低い林分では、この反射率はバイオマスを忠実に追跡する。しかし林冠が閉じ、樹高が16メートルの水準を超えて成長すると、表面は光学的に飽和する。下の木々が木材を少し増やそうが大量に増やそうが、表面は実質的に同じに見えてしまう。

木々が伐採されたり焼失したりすると、林冠が開いて反射率が急変するため、損失は即座に記録される。背の高い森林が静かに成長を続ける場合は表面に変化がなく、増加はまったく記録されない。したがって、主に受動光学画像の上に構築されたモニタリングスタックは、森林減少と劣化を優先的に記録し、吸収源を過小計上する。これは炭素会計が必要とするものと正反対だ。

クレジット評価の問題

自主的炭素市場にとって、実務上のリスクはベースラインとMRVを通じて生じる。プロジェクト開発者や格付機関は、安価で高頻度かつ全域をカバーするという理由から、衛星由来のバイオマスデータへ大きく移行してきた。この研究は、成熟林分における改良森林経営や伐採回避にクレジットを付与するあらゆる方法論について、その利便性の代償を定量化している。参照データが継続的な蓄積を捉えられなければ、こうした林分を保護する気候上の価値は過小評価され、その保護に対して発行されるクレジットは、実在する炭素を見落としたベースラインに対して価格づけられることになる。

同じバイアスは、植林・再植林(ARR)では逆方向に働く。若い植林は衛星が最も正確に測定できる森林であり、ARRプロジェクトは炭素曲線の最も観測可能な部分に位置する。一方、成熟森林の保全は最も観測不可能な部分に位置する。「測定できるもの」に報い、「気候上最大のもの」に報いない市場は、既存の炭素ストックの保護よりも新規植林へと資本を過剰に配分する。著者らは、この観測ギャップは米国固有のものではない可能性が高いと指摘しており、世界中の熱帯・温帯プロジェクトにも同じ問いが突きつけられている。

モデル較正のリスク

問題はクレジット発行にとどまらない。動的全球植生モデル(DGVM)は、将来の温暖化の下で陸域吸収源がどう振る舞うかを予測する道具であり、その較正は部分的に衛星由来のバイオマス観測に依存している。こうした観測が成熟森林について組み込みの過小評価を抱えているなら、モデルはそれをベースラインとして吸収し、将来の吸収源強度の予測を下方に歪めている可能性がある。陸域吸収源が弱まりつつあることを示唆する最近の衛星ベースの研究は、森林の実際の挙動ではなく、センサーの限界を部分的に反映しているのかもしれない、と研究者らは論じている。

重要な例外がひとつある。米国森林局のFIAプログラムは、米国が国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に提出する温室効果ガスインベントリ報告の権威ある基盤であり、地上測定に基づいているため、年間102Tgの増加を実際に捉えている。現地プロットに基づく国別インベントリのパイプラインは、主に衛星プロダクトに依存する枠組みよりも現実に近い。

バイヤーと投資家が注目すべき点

ここから3つの注目点が導かれる。第1に、方法論と格付けの更新だ。レジストリや格付機関は、自らのバイオマスベンチマークが受動光学データにどれだけの重みを置いているかを開示し、成熟森林プロジェクトにLiDARやインベントリによるクロスチェックを統合するよう、圧力を受けることになるだろう。第2に、モニタリング基盤そのものだ。2024年4月に国際宇宙ステーションへ再設置されたNASAのGEDI LiDARに加え、ICESat-2、NEONのような航空観測キャンペーン、そして今後打ち上げ予定のNASA EDGEミッションが、このギャップを埋める手段であり、研究は単一のデータ系列に頼るのではなく、3つすべてを地上プロットと融合させることを明示的に主張している。第3に、相対的な価値だ。この発見が米国外での再現検証でも支持されれば、衛星のみのベースラインで価格づけられた成熟森林保全やIFMクレジットは、実際の吸収量に対して体系的に割安に見える。バイヤーが今日から試せるデューデリジェンスの視点、つまり「プロジェクトの数字の裏にあるセンサーはどれか」と問うことで検証できる論点だ。