公開登録簿における炭素クレジットの償却量は、2026-09-28から2026-10-04までの7日間で1,692,473クレジット(169万クレジット)に達したと、CarbonMeldの登録簿データは示しています。前の期間である2026-09-21から2026-09-27までは641,218クレジットだったため、週間合計は163.9%増加しました。買い手、開発事業者、投資家にとって、この数字は発行量や取引量ではなく、実際に流通から取り除かれたクレジットの量を示す指標です。
週間合計の背景
この集計は、5つの登録簿が公表している償却記録を対象としています。Verra(VCS)、American Carbon Registry(ACR)、ART TREES、Gold Standard、Climate Action Reserveです。合計値は、各登録簿が公表する償却記録をCarbonMeldが読み取ったものです。
これらの記録からは、誰が、なぜクレジットを償却したのかは分かりません。週間の増加が今後の期間にも続くかどうかは、現時点のデータでは確認できません。
最大のシェアを占めるVerra
Verra(VCS)は331件の償却記録で1,266,632クレジット(127万クレジット)を記録しました。前の期間は315件の記録で375,530クレジットであり、237.3%の増加です。記録件数はほとんど変わらない一方でクレジット合計が大きく増えたため、直近の週の記録は平均して規模が大きかったことになります。
Verraの記録は2026-10-17まで読み取られており、期間の終了日より後であるため、公表までの時間は確保されていました。それでも、登録簿の公表には遅れが生じるため、直近の日付の数値はなお増える可能性があります。
その他の登録簿:まちまちの動き
American Carbon Registryは、23件の償却記録で187,784クレジット(18.78万クレジット)を示しました。前回は43件の記録で175,883クレジットであり、6.8%の増加です。つまり、より少ない件数で、わずかに多い合計となりました。
Gold Standardは、60件の償却記録で82,801クレジット(8.28万クレジット)を記録しました。前回は52件の記録で76,999クレジットであり、7.5%の増加です。
Climate Action Reserveは、一覧の中で唯一減少した登録簿です。6件の記録で2,788クレジット(2.8千クレジット)となり、前回の5件・12,506クレジットから77.7%減少しました。
ART TREES:小さな基準値と大きな変化率
ART TREESは5件の償却記録で152,468クレジット(15.25万クレジット)を記録しました。前の期間は1件の記録で300クレジットでした。変化率は+50722.7%ですが、非常に小さな基準値から計算されたものであり、その点を踏まえて読む必要があります。
ART TREESの記録は2026-09-30までしか読み取られておらず、ほかの登録簿より早い時点までです。そのため、期間の最終日付の状況は十分に反映されていない可能性があります。データからは、この急増の理由は分かりません。
プロジェクト別の上位5件の償却
期間中で最大の単一プロジェクトは、Adani Green Energy Limitedによる Renewable Solar Power Project(VCS-1815、インド)で、230,000クレジット(23.0万クレジット)でした。続く4つのプロジェクトは次のとおりです。
- El Molino-San Matias hydroelectric projects(VCS-1797、コロンビア):110,643クレジット(11.06万クレジット)。
- 210 MW Musi Hydro Power Plant, Bengkulu(VCS-487、インドネシア):100,000クレジット(10.0万クレジット)。
- Reducing Gas Leakages within the Hududgaz Gas Distribution Networks across Uzbekistan(VCS-4531、ウズベキスタン):85,177クレジット(8.52万クレジット)。
- Cote d’Ivoire Tai National Park Area Emission Reductions Program(ART-130、CI):79,568クレジット(7.96万クレジット)。
上位5件の償却のうち4件はVerraのVCSに、1件はART TREESに属します。対象国はインド、コロンビア、インドネシア、ウズベキスタン、コートジボワールにまたがり、再生可能エネルギー、水力発電、ガス漏洩の削減、そして管轄区域単位の森林プログラムが含まれています。
データから分かることと分からないこと
償却記録は、使用されたクレジットの数を示すものです。買い手や受益者は報告されないため、企業による主張とその他の用途を区別することはできません。また、週間合計がなぜこのように動いたのかも説明していません。
開発事業者にとって、この数字は、この特定の週に最大規模の償却の中にどの登録簿とプロジェクトタイプが現れたかを示しています。買い手や投資家にとって、1週間という期間は限られた窓にすぎず、1件の大きな記録が登録簿の合計を大きく動かすことがあります。
注目点
- 2026-10-04までの週の記録が、登録簿による公表の完了に伴いさらに増えるかどうか。
- Verraの週間合計が127万クレジット前後にとどまるのか、以前の375,530クレジットの水準に戻るのか。
- ART TREESの償却が前の期間の300クレジットを上回る水準を維持するかどうか。
- Climate Action Reserveの77.7%の減少が、次の週次集計で反転するかどうか。
次回の週次比較で、163.9%の増加が持続的な水準を示すのか、それとも1週間だけの大きな動きだったのかが明らかになります。記録だけでは、その問いに答えることはできません。
