中国ETSの排出枠価格は、短期的なレジスタンス水準であるRMB 95($14.20)を上抜けました。一方、CCERの自主的オフセット制度では、新たな方法論が公開意見募集に付され、対象となるプロジェクトの種類が増える見通しだと、Carbon Pulseは報じています。買い手と開発者にとって、この動きは直接的な意味を持ちます。排出枠価格は注目されていたテクニカル水準を上回り、将来の国内オフセット供給の潜在的な範囲も広がりつつあります。ただし、方法論は依然として草案です。

上抜けの参照点は10月16日の終値

2026年10月16日の市場データによると、全国市場の始値は1トン当たりRMB 97.64、高値はRMB 98.00、安値はRMB 97.00でした。終値は1トン当たりRMB 97.56で、前日比0.39%高だったと、Mysteelは伝えています。

排出枠の総取引量は2,015,878トン、取引額はRMB 195,280,327.80に達しました。このうち、上場協議取引が960,414トン、RMB 93,700,278.60を占め、大口協議取引が1,055,464トン、RMB 101,580,049.20を占めました。

より広い期間の数値は規模を示しています。2026年1月1日から10月16日までに、市場では140,998,246トンの排出枠取引とRMB 12,265,265,175.43の取引額が記録されました。10月16日時点の累計取引量は1,005,864,766トン、累計取引額はRMB 69,927,883,407.00でした。

レジスタンスを上回って引けたことだけでは、持続的な価格再評価が起きた証拠にはなりません。入手可能な資料にはその後の終値は含まれず、今回の値動きの原因も特定されていません。そのため、価格のシグナルは方法論の発表とは切り分けて読む必要があります。

CCERのパイプラインは燃料、エネルギー貯蔵、廃棄物にまたがる

今回の政策面の動きは意見募集であり、最終承認ではありません。生態環境省の2件の通知は2026年10月15日付で、意見提出期限を2026年10月23日と定めています。一方は6つの方法論草案について意見を求め、もう一方は5つの方法論草案を対象としています。

1つ目のグループには、農林業バイオマスをガス化してメタノールを製造する方法と、同じ農林業バイオマスの経路にグリーン水素を組み合わせる方法が含まれます。また、廃油を利用して燃料用の炭化水素系バイオディーゼルとエステル系バイオディーゼルを製造する2つの方法に加え、ナトリウムイオン電池の蓄電所と全バナジウムフロー電池の蓄電所も対象です。

2つ目のグループは、再生可能エネルギーを用いたアンモニア合成、鉱山の輸送車両の電動化、揚水発電所を対象としています。また、低価値の廃プラスチックのケミカルリサイクルと、バイオガスプロジェクトにおける生ごみの集中型嫌気性処理も含まれます。

同省によると、草案は自主的な温室効果ガス排出削減の方法論体系を改善し、産業界や企業によるより幅広い参加を促すことを目的としています。また、プロジェクトの設計、実施、妥当性評価、排出削減量の算定、検証を標準化することも意図しています。草案の本文と作成説明資料は、同省の意見募集欄で入手できます。

方法論の草案はまだオフセット供給を意味しない

開発者にとって、通知はCCERの枠組みに組み込まれる可能性のある具体的なプロジェクト分類を示しています。ただし、特定のプロジェクトが適格となることや、クレジットを創出することが示されたわけではありません。開発者は現時点で草案の要件を評価でき、意見を提出したい場合は2026年10月23日までに書面で送ることができます。同省によると、政府機関、団体、企業、公共機関、個人が意見や提案を寄せることができます。

買い手にとって重要なのは、潜在的な供給と発行済みのオフセットを区別することです。資料には、予想されるクレジット量、発行日、CCER価格は示されておらず、方法論がいつ最終化されるかも記されていません。また、排出枠の提出ルールに何らかの変更があるとの説明もありません。

このため、近い将来の調達について導ける結論は限られます。方法論の基盤が広がれば、評価対象となるプロジェクトの種類は増え得ますが、どのプロジェクトが進むかは、最終的な算定・検証規定によって左右されます。そうした文書とその後の発行状況が確認できるまでは、今回の意見募集を供給予測ではなく、パイプラインの指標として扱うべきです。

価格の上抜けと意見募集の期限後に注目すべき点

次に確認すべき事項によって、2つのシグナルがより大きな意味を持つかどうかが分かります。

  • その後のCEAの終値がRMB 95を上回った状態を保つかどうか、また、取引量が10月16日の取引と比べて堅調さを保つかどうか。1日分の終値だけでは、新たな価格帯は確認できません。
  • 同省が意見募集後に草案を修正するかどうか、また最終的な方法論がいつ公表されるか。通知が示しているのは意見提出期限であり、承認日ではありません。
  • 開発者が、草案に記された活動分類から、最終規則に基づくプロジェクトの設計・実施へと進むかどうか。入手可能な資料には、プロジェクト件数や発行見通しは示されていません。

これらの情報源からは、CCERに関する発表が排出枠価格の変動を引き起こしたとまでは言えません。より妥当な読み方は、買い手が現在、観測されたCEA価格の上抜けを監視し、これとは別の、より幅広いCCER方法論のパイプラインを評価する立場にある、というものです。ただし、両者では確実性の程度が大きく異なります。